同人の井上樹里の個展が開かれます。
2025年10月10日(金)ー11月30日(日) 蕎麦屋 SHABA、OMIYA ART WALL(埼玉県さいたま市大宮区大門町2-118 大宮門街5F)
このたびSHABAでは、四季彩舎が提案する展覧会シリーズ「Art ENCOUNTERS」vol.8として、現代美術家・井上樹里の個展を開催いたします。さらに同時開催として、OMIYA ART WALLにおいても井上の作品を展示いたします。
井上樹里は、「ケアの時代に生きる」というテーマを根幹に制作を続けてきました。東日本大震災やコロナ禍を経て、人と人とが物理的に離れていても心を寄せ合える時間の尊さに注目し、心象風景を描いています。空を中心とした風景や旅先で得た体験をもとに、心の内に広がる景色をキャンバスに投影してきました。
近年は、旅先で出会った食べ物や身近なモチーフを鮮やかに描き出すガラス絵シリーズにも取り組み、暮らしの中に潜む小さな記憶や温もりを掬い上げています。素材としては、パネルに直下地を施し、アルキド樹脂絵の具を主体にアクリルや油絵具、顔料、金箔を組み合わせるなど、艶やかさとマットさを往還させる表現を追求。ガラス絵では通常の裏描きに加え、表面に直接描き込む独自の手法も駆使し、透明感と奥行きが交錯する絵画体験を生み出しています。
また、アートユニット「妄想公園」では、ARを活用した体験型アートや教育現場との協働も行い、アナログとデジタルを交錯させながらユニバーサルデザインの視点を取り入れ、誰もが芸術に触れられる場を生み出しています。
井上にとって制作は、単に風景やイメージを描くことにとどまらず、鑑賞者の心に「寄り添う場」を生み出す営みです。空の彼方や食卓の記憶を媒介に、誰かと繋がり、共に生きる感覚を分かち合う。今展においても、その静謐でありながら鮮烈な世界が、SHABAとOMIYA ART WALLの両会場で展開されます。



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